実証実験(PoC)の経緯、関連イベント・基本合意書の位置づけ、そして本番導入・追加契約を見送った理由を、公開情報と当社確認事実にもとづいてご説明します。
本事業について関係者間で締結されていたのは、プロジェクト全体の方向性や大枠を定める基本合意書であり、具体的な実施内容、費用、権利関係等は、別途締結する契約において定めることとされていました。本番導入や販売を承認する契約には、至っていません。
当社では、基本合意書におけるPoC(実証実験)の期間(2026年3月まで)の結果、および期間終了後に確認した公開情報、運用状況、利用導線、費用対効果、法務確認、継続運用体制等を踏まえて慎重に検討した結果、本番導入を判断するに足る成果・効果の確認には至らないと判断しました。
そのため、2026年5月25日、関係事業者に対し、業務委託契約の締結およびそれに伴う先行運用を見送る旨を通知しました。
関連イベントの開催、外部記事での掲載、または基本合意書の締結があった場合でも、それらは本番導入を決定・承認したことを意味するものではありません。
1. 本番導入を見送った主な理由
当社が重視したのは、市民や観光客にとって分かりやすく、実際に使われ、南城市の観光振興や地域経済に具体的な効果が残る仕組みであるかどうかです。
実証実験(第1期)の実績値
本実証実験は、南城市の補助金を活用したPoC事業として実施されたものです。基本合意書上、当社は本事業の事業主体・運営主体であり、事業の遂行過程で取得されるデータは当事者間で共有するものとされています。これを踏まえ、公金を活用した実証実験の成果を市民の皆さまへご報告する観点から、第1期(2026年3月末時点)の実績値を以下のとおり公表します。
| 項目 | 第1期実績(2026年3月末時点) |
|---|---|
| デジタル住民証NFT「結いまーる証」登録者数 | 72名 |
| LINE公式アカウント フォロワー数 | 79名 |
| Discord 登録者数 | 22名 |
| nanjo market アクセス数 | 166 |
※上記の実績値は、事業者報告にもとづくものです。当社は、これらの実績値をひとつの判断材料として、本番導入の可否を検討しました。
上記はいずれも2026年3月末時点の実績であり、実証実験の期間は同月末で終了しています。当社では、その後に本格的な稼働や利用の広がりがあるかを引き続き確認しましたが、2026年5月20日に公開情報を確認した時点でも、LINE公式アカウントの友だち数は92人、公式タイムライン(LINE VOOM)の投稿は0件であり、期間終了から約2か月を経ても、本格的な稼働・成長は確認できませんでした。
| 判断項目 | 確認した観点 | 当社の判断 |
|---|---|---|
| 利用実績 | 市民・観光客に継続的に利用されている状態か | 実証実験期間(2026年3月まで)の利用実績は、上記の実績値のとおり小規模にとどまっており、本格導入を判断する規模には至っていませんでした。 |
| 利用導線 | LINE、Discord、Shopify、NFT、ポイント等が分かりやすくつながっているか | 公開記事に記載されていたDiscordへの招待リンクは無効となっており、一般の方が公開情報をたどって参加できない状態でした。また、複数のサービスの関係や利用方法を案内する導線も整理されておらず、市民・観光客が実際に利用できる状態には至っていませんでした。 |
| 運用体制 | 本格運用に必要な管理責任、更新体制、問い合わせ対応が整理されているか | 継続運用に向けた体制整理が必要でした。 |
| 地域効果 | 市内事業者、観光消費、地域経済への具体的な効果が見込めるか | 追加契約を判断するには、効果の確認材料が不足していました。 |
| 法務・権利関係 | NFT発行、販売、外部ウォレット、個人情報、画像・名称利用等の整理が十分か | 本番導入には、別途契約・法務確認・運用責任の整理が必要でした。 |
| 費用対効果 | 追加費用に見合う成果指標と撤退条件が明確か | 業務委託契約は見送る判断となりました。 |
なお、前述のとおり、関係者間で締結されていたのは基本合意書であり、具体的な費用や権利関係、実施内容等は別途締結する契約において定めることとされていました。基本合意書は、具体的な業務委託契約、販売許諾、NFT発行・販売の承認そのものではありません。
以上の確認に加え、実証実験の期間終了後も、本格的な稼働や利用の広がりが確認できなかったことを踏まえ、当社は、現時点では本番導入を判断するに足る成果・効果の確認には至らないと判断し、2026年5月25日、業務委託契約および先行運用を見送ることといたしました。
2. 公募手続きに関する当社の認識(2026年7月15日追記)
令和8年2月実施の公募手続きに関する確認事実と当社の認識を見る
なお、本実証実験に先立ち令和8年2月に実施された「観光地域づくりDX基盤(NFT・トークンシステム)導入業務」の公募手続きについて、当社は以下の事実を確認しております。
- 公募開始が令和8年2月2日、企画提案書の提出期限が同年2月12日であり、公募期間が実質約10日間であったこと
- 応募の受付、お問い合わせ、および審査に係る日程調整の窓口が、いずれも外部団体のメールアドレスおよび電話番号に設定されていたこと
- 応募情報が当社の管理する窓口を経由しない設計であったため、当社が応募状況等を直接把握できる体制となっていなかったこと
当社は、当該公募における周知期間の十分性および受付体制の妥当性について、検証を要する事項と認識しております。
今後、当社が公募・調達を行う場合には、十分な公募期間の確保、当社自身による受付・問い合わせ窓口の設置、および応募・審査に関する記録の保全を徹底してまいります。